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働き方を模索する緩和ケア認定看護師の物語

がん患者の遺族にかけてはいけない言葉とは?


こんにちは。
今日は少し前の記事ですが、気になったので。

yomidr.yomiuri.co.jp

がんで大切な家族を亡くした方になんて声をかけたらいいか。
うまいことが言えなくて悶々としている看護師さんもいるでしょうね。

交通事故などで急死した場合の方が、かける言葉が見つからないかもしれない。
私の場合は、ですけれどね。

がんってわかって即死ということってほとんどなくて、疑いや診断が出てから亡くなるまでにいくらか時間が遺されていることがほとんどですよね。
私は、この遺された時間があるのとないのとでは、遺された時間がある方が、つらいけど心づもりができるし、尽くそうとできる貴重な時間を過ごせると思うんですよね。

実際にがんと診断された患者さんから「終活が自分でできるから、がんには感謝してる」と言われたことがあります。
「がんだとわからなければ、準備ができないまま家族と別れなければならない」ということです。
なかにはがんだとわかってから、深い悲しみから抜け出せずに最期まで苦しむ方も確かにいます。
ですが、終活をするきっかけになっているというのは、臨床では明らかに見えるので、悪いことだけではないかもしれません。

ところで、遺族にどう声をかけるのが正解か。
これは、現場でよく質問を受けます。
正解はないです。
正解がたくさんある場合もあります。
何を選んでも傷つける場合があるし、慰めになる場合もあります。
そこに思いやりの気持ちがあるかどうか、ですかね。

私が遺族との関わりでしていたことと言えば、否定も肯定もしないこと、つらい気持ちに寄り添うこと、頑張っていたことを認めること、がんで家族を亡くしたばかりの「あなた」のことが気がかりだと伝えること。
結局のところ、うまいことを言うより、タッチングの方が効果的だと思うし、個人的にはハグなんかの方がもっとホッとするんじゃないかと思ってます。
上手い言葉が見つからないなら、上手い言葉を伝えるよりも「私も患者さんが亡くなって悲しいし、言葉がみつかりません」と素直に表現した方が人間味があっていいですよね。
家族を亡くした悲しみのどん底にいるときは、「誰に何を言われたか」を鮮明に遺そうとするよりも、「誰かがそばにいてくれて少しほっとした」と思っていただくことの方が、きっと意味があるんだろうと私は思っています。

この言葉は禁止!とかいう指針については、なんだかなぁと気になりますが、参考にはなると思います。

このブログはただの、しがない緩和ケア認定看護師のぼやきなので。
さらっと流してください。

ちなみにこちらのブログも是非▼

inudogblog.com


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