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働き方を模索する緩和ケア認定看護師の物語

上司の金言『成果を焦るな!』/認定看護師になった当初私を救った言葉

あっという間に年の瀬がやってきましたね。
寒くて何もしたくない季節が来てしまいました。
本当に何も生み出さない暮らしをしていました。


さて、私はこの度、13年9ヶ月勤めた病院を退職することにしました。
振り返ってみると、まだまだお子ちゃまだった私が、いつの間にか新人教育を任され、気づけば認定看護師になり・・・
結婚、離婚、再婚、妊娠、流産…といろんな経験をしてきました。
人生何が起こるかわかりませんね。


この短いようで長い看護師人生の中で、沢山の上司に出会いました。
当院は2副制といって、病棟に副師長が2人います。
以前は副師長さん1人で仕事をしていたので、とてもハードワークだったと思います。


副師長、師長は大体3~4年のスパンで異動になりますが、私は師長さんが年代わりしちゃうような病棟に勤めていました。
師長さんたちも大変なのね、人間ですからね…とは思いますが、一時期は師長不在の病棟で働いた経験もあります。

前置きが長くなってしまいました。
上司の有難い言葉が今でも心に残っているという方は、いったいどれほどいるでしょうか。


どんな部署で、どんな上司に出会えるかは運みたいなものですが、出会えてよかったと思える上司って貴重ですよね。
そういう方は、立派にどんどん出世しいていかれるので、正しく評価されて、適所に配置されるものです。


私は認定看護師になって、1番悩んだことは【緩和ケアは一般病棟ではできないんじゃないか?】という壁にぶち当たったときです。
急性期病棟で働いていると、患者さんの入れ替わりが非常に早いです。
月間80~100人の患者さんが入院してくる部署にいた私は、ここで緩和ケアができるのか?とへこたれていました。
だって、学びたい意欲がない看護師に教育するのって、すごい労力ですから。
「それ求めてません」と言われてしまえば、そこでおしまいなんですよね。
緩和ケアの押し売りをしているような気持ちになったとき、私は病棟の看護の質を上げたいのに何をしてるんだろう…という悲しい気持ちになりました。



そんなとき、副師長さんが私にかけてくれた言葉が、『成果を焦るな』というものでした。


早く結果を出して、病棟の質が上がって、患者さんの満足度も上がって、病院の評判も上がるという理想を描いていた私には、青天の霹靂でした。

副師長さんは、『今あなたがしていることに芽が出て成果が出るのは、早く見積もって2~3年後。今はとにかく沢山の種を蒔いてほしい。スタッフもそれを求めているし、本当は緩和ケアに興味を持っている子たちは多い。その子たちが2~3年後に病棟を引っ張る存在に絶対になるから、とにかく成果が出るのを焦らないでそのまま続けてほしい』と言ってくれました。


こんな風にアドバイスしてくれたのは、この副師長さんただひとりでした。
今は他院で師長さんになられていますが、おそらく副部長、部長へと出世していく方なんだと思います。

私が大好きで、友人にも送ったことがあるのがこの『仕事は楽しいかね?』という本です。
一度読んだら二度と同じ本は読まないと決めている私ですが、『星の王子さま』と『仕事は楽しいかね?』だけは繰り返し読んでいます。

私は最高の上司に出会ったことがあるか?と問われたら「yes」と答えられます。
こんな副師長さんに出会えたことは、私にとっての財産です。


『成果を焦るな』という言葉は、仕事だけじゃなくてプライベートにも置き換えて考えられそうですよね。
私の場合、妊活を焦って夫婦仲に亀裂が入ったら元も子もないと思いますし、子育て中の方は子どもの成長に焦りを感じる場合もあるかもしれません。
長い目で育んでいかないといけないんですよね。家庭も仕事も。

皆さんが大切にしている上司の金言はありますか?