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働き方を模索する緩和ケア認定看護師の物語

Kindle本に評価がついた|初めて緩和ケアを学ぶ人の教科書

看護師として力を抜いて働き始めて2ヵ月半ほどが経過しました。
今までの国立病院とは勝手が違うのでたくさんご迷惑をかけていると思います。
でもやっぱり、仕事が楽しいです。

「誰とどこで働くか?」は今後の私の人生において特別な意味のあるテーマになりそうです。

前に勤めていた職場も、人間性が悪い人は限られていましたが、本来の人柄の良さを活かせないほど疲弊しているスタッフが多かったと思います。
やはり、働く環境を整えるのは病院側の責務だと私は思います。
看護師の満足度が低くて、患者さんの満足度が上がるとは到底思えないからです。
看護師も人間ですから、感情や気分が優れないときもあります。
感情をコントロールするのがプロフェッショナルだとしても、それに見合う対価が得られなければ人は去ります。




退職を選んだことで、私は俯瞰して看護業界を見ることが出来るようになったと思っています。
その場にとどまっていたら、隣の芝生の青さを羨みながら枯れていくだけだったのではないでしょうか。
ひとところで頑張ることも大事ですが、井の中の蛙になることは恐ろしいことです。


私は13年9ヵ月勤めた病院を辞めて、緩和ケア認定看護師として何が出来るかを考えました。
その結果、本を出版することを目指したわけです。
初めての経験でよくわかりもせずに、我ながらよくやったと思います(笑´∀`)


なんと今日気がついたのですが、口コミを投稿してくれている方がいました!!
(★5の口コミなし評価はおそらく友人だろうと思います笑)


口コミを書いていただけるのは嬉しいものです。
しかも、緩和ケア病棟に勤めていた経験のある医師の口コミ。
そして、理学療法士作業療法士の学生に緩和ケアを教えるために読んでいただけたようで・・・
感動しております。

私自身、この本は「看護学生」に向けたメッセージとして執筆しました。
ですから、同じく医療系の学生に講義をされる先生が利用してくださったとわかるととても嬉しい。


もっともっと、若い世代の方々に「緩和ケアが末期の治療じゃない」ということを知ってほしいと思います。
緩和ケアの啓蒙活動、もっと頑張りたいという気持ちになりました。
口コミを書いてくださった方、本を読んでくださった方には感謝感謝です!

看護師の働き方改革|看護師大量辞職を止めるなら誰を大切にすべきか⁉

恐縮ですがやはり宣伝させてください(笑´∀`)


昨日、2023年5月19日に私の処女作がようやく出版されました。
まさか2作目を先に出版してしまうとは思いませんでしたが(°°)!

3万文字もなく、ボリュームは少ないので、印刷コストを考えると高いのですが…
自己満足の保管用として購入しました(笑´∀`)


看護師の友人と話していると、やはり問題になるのが労働環境と自己犠牲の精神、
後輩育成の難しさ、ワークライフバランスなんて口ばかりだ!というテーマになることがほとんどです。
委員会活動やグループ活動、その他諸々の持ち帰りの仕事を抱えていたら逃げ出したくもなります。


私の後輩が退職するときに『この病院で長く働いている人って、やばい人しかいなくないですか?』と言って去って行きました。
この爆弾発言、芯を食っていると今は思っています(笑´∀`)


どこの病院も同じように働きづらさや管理職への不満を抱えながら看護師は頑張っています。
パワハラをしている場合じゃないですし、『私の時代はこうだった』を聞かせている場合でもないです。
労働環境を整えるために管理者にできることってなんでしょうね。
退職した人たちに正直な気持ちを聞いていないから、現場の気持ちを知らずに見当違いな働き方改革をしてしまうのは辞めてほしい。
1人でも多くの看護師さんが辞めたくないと思える職場を作ってくれる管理者がいることを願います。

ちなみに転職した私、今の職場はとても環境がいいです。
1人の看護師として尊重されていますし、『私にしか出来ないこと』をそれぞれの看護師が活かしています。
この風土はきっと、院長先生が築いたものなのでしょう。

職場から看護師が大量に辞職していったのなら、今残っているスタッフの気持ちや満足度を上げることを第一に考えるべきでしょう。
新しく迎え入れるスタッフをどうこうしようとしていると、今踏ん張っている看護師が去ってしまうかもしれません。
優先すべきは誰なのか⁉この点を管理者には考えていただけたら嬉しいです。

あなたの施設は大丈夫?有能な看護師を失っていく病院の特徴

今年の1月に入稿していた本がついに出版されます。
まんがびと様より2023/05/19出版予定です。
私の処女作は「あなたの施設は大丈夫?有能な看護師を失っていく病院の特徴。」という今回の本なのですが、
2作目に書いた本を先に世に出してしまっています(笑´∀`)

著作権は完全に譲渡しているので印税はまったく入りませんが、宣伝させていただきました( ・∀・)!
また覚えていたら出版日に宣伝のため投稿するかもしれません。・・・覚えていたら。

看護師さんが少しでも気持ちよく働ける現場になることを心から願っています。

新人看護師を応援するアカウントの胡散臭さ

タイトルからしてちょっと危うい表現なのですが、
私、実は最近思うことがありまして。


看護学校の講師をするにあたってTwitterで若者の心情を学ぶようにしているのですが(←意外と健気)

「新人看護師の悩み相談」とか「新人看護師に寄り添います」とかいう表現をしている方が複数います。


・・・いや、わかるんですよ。
つらいですもんね、新人看護師って。


でも見ていて残念に思うのは、どう考えても転職斡旋のためのアカウントだという点。


そういう方ってお局批判をしていたりするわけなのです。
私もお局看護師という存在は本当に嫌いでしたよ。
でも、人間性に問題があったとしても・・・
看護師としてはプロフェッショナルなお仕事をされているお局看護師もいるわけです。


もちろんダメですよ。
人間性が悪すぎるのが問題だということは理解しています。
でも盗める技は絶対にあったりしますから、自分の糧にできるかどうかは自分次第だと思っています。



で、ですよ!
問題は、新人看護師を過保護にサポートするような言い回しで新人さんの心を掴むようなツイートをしながら、
「本当に無理なときは転職しよう!」「今いる病院が全てではない!」といって簡単に退職を勧めるのはどうかと思っているのです。


だって、転職先だって神職場とは限りません。
新人看護師であり、しかも早期に退職した新人看護師であればその時点でネガティブな印象を与える可能性もあります。
転職活動がうまくいかなくても責任はとってくれないということなんですよね。


だからこそ、簡単に辞めても次があるような表現をしないであげたらいいのになって思って傍観しています。
どこにでもお局という存在はいるかもしれませんし、お局とうまくやれなければ、クレーマーともうまくやれるわけないんですよ。
いつ、どこで躓くかわからないのだから、無責任に転職を勧めないでほしいと思います。



本当にこのまま働けば心が壊れてしまうかもしれないと思ったら自衛することは大事だと思います。
せっかく希望を持って看護師になった若い芽を「楽な方に誘導する」ふりをして窮地に追い込まないでほしいんですよね。


転職を勧めるのではなくて、どう立ち回ったら人間関係がスムーズに運ぶのか、どんな息抜きが有効だったのかを教えてあげるだけでいいと思います。
転職エージェントは紹介したら1万~3万円ほどのマージンが入るでしょうから、本当に必要な方に紹介するのはいいけれど、不用意に斡旋するのは、新人看護師の応援でも支えでもないです。
正直、新人看護師をカモにしているようにしか見えません。


4月の時点で「新人が3人一気に辞めた」とか「今日仕事行ったら新人が辞めてた」というツイートをよく見ます。
せっかく国家試験にも合格したのに残念だな・・・という気持ちで見ていました。


そんなモヤモヤをただぼやいただけで今日のブログはおしまいです。
胡散臭いひとも沢山いるので、だまされることがないように自分を一番大切に決断して欲しいものです。
同期と示し合わせて退職するのだけは、絶対に辞めてほしい。
その同期がいつまでも自分の人生において大切な存在の人でいる可能性は?
ちゃんと丁寧に考えて行動できることを願うばかりです。

大丈夫という言葉の力|医療者が患者に伝えられないメッセージ

医療従事者であれば、不安な患者さんと対峙する場面は誰しも経験すると思います。
私が看護学生の頃、安易に「大丈夫」だとか「すみません」だとかいう言葉を使ってはならないと教えられた記憶があります。


責任をとれない不確かな患者さんの未来について「大丈夫」だなんて言ったらいけない。
もし、その未来が来なかった場合、訴訟を起こされる可能性があるからです。

自分の過ちを「すみません」とすぐさま謝罪と過失があったと認めることになります。
過失を認めたとして、ライセンスを失う可能性があるからです。


こんなことを教えられて、保身のために自分の非を認められないのはとても心苦しいことです。
もしかしたら、患者さんはシンプルに「大丈夫」だとか「すみません」という言葉を求めているだけかもしれないのに。


ずるいなと思ったのは、「自分の行動で患者さんを不快な気持ちにさせてしまったことについては謝罪してもよい」
でも、「自分の行動が過失だったかどうかは定かではないので、医療安全で検討してお返事します」という返事のテンプレ化です。
不快にさせた事実だけは認めるが、自分の行動が本当に身体に影響を与えたのかを確認するという方法で当事者同士に距離を置く方法です。
患者さんの感情については悪い影響を与えたことを認めるが、自分の行動自体が悪いことかどうかは認めない。

患者さんは当事者と話したいんだろうなと思うことがあります。
医療従事者を守るために仕方がないことだというのは重々承知です。
こういう現場で生きていると、本音を伝い合えない場面は本当に多いものです。


患者さんに「あとどれくらい生きられると思う?」と聞かれることもあります。
「よく入院していたあの患者さんを見かけなくなったけど、亡くなったの?」と聞かれることもあります。


患者さんは先の見通しが立たないこと、死が迫り来る恐怖に怯えながら生きているのだろうとよく思います。


前向きな言葉の裏側に隠された本心が気になったり、医療従事者に言えなくとも、誰かに弱音をこぼせているのかが気になります。



私が働いているクリニックでは、医療従事者であればほとんど禁じられているに近い「大丈夫」という言葉をたまに医師が使います。
患者さんは、「もし大丈夫じゃなかったら訴えてやる!」と思って聞いているわけではないんでしょう。

「どこの先生も大丈夫だなんて言ってくれない。最期の光だった。」と言っていました。
それで命が延びるか、がんが治るかは別問題のように感じるのですよね。

ただ、どっしりかまえていてくれる信頼できる医師に診てもらうことに心地よさや安心感をもらえているのだから。


安易に「大丈夫!」と連発するのがいいわけではないのですが。
そのときに患者さんが一番欲しい言葉が「大丈夫」という言葉だという場合もあるっていうだけです。


たしかにそううまくいかなかったとき、訴えられる可能性ももちろんあるわけです。
そんなこと100も承知で、目の前の患者さんが欲しているメッセージを怖れずに伝える医師を私は心から尊敬します。


患者さんには「症例としてしか自分を見ていない医師」のことはわかっているんですよね。
「人として見られていない」という言葉が、がんの終末期の患者さんの口から出るのが私は一番悲しい。

「医者に見捨てられた」という言葉を久しぶりに聞いて思い出したんですよね。
私がなんで緩和ケア認定看護師になったのか。


訴えられるかもしれないような関係性しか築けないから、保身のための言葉選びをするのではないでしょうか。
理想だけではどうにもならない場合ももちろんあります。


「命の終わりが近いという意識が心の奥底にわずかでもあるか?」

ただそれだけを尋ねた医師は初めてでした。

もっと突きつめて、急変時の対応はどうするか?を決定する場面にばかり身を置きすぎてきました。
ニュアンスでしか語り合わないことがあってもいいのかもしれない、と思えました。


医師が言った「あなたに生きてほしいと思って治療してる」という言葉。
たった一言です。
この言葉だけでたぶん、患者さんには伝わったんだと思います。


働く場所を変えたら、ともに働く仲間も変わって、出会う患者さんも変わりました。
考えさせられることも多くなりました。
私たちが向き合っているのは「病気」じゃなくて「患者さん」なんだと改めて考えさせられました。

新人看護師は勤務初日に菓子折が必要か?


Twitterで「菓子折り」がトレンドで流れてきました。

新人看護師は病棟に挨拶に菓子折りを持参しなさいという投稿をした先輩看護師がいる模様。


要りませんからね!!!!!!

こういうデタラメな情報を流さないであげてほしいですよ。
新人さんだって緊張していたり不安を抱えて初日を迎えるのですから。


くだらないなぁ。


反対に「菓子折りなんて持って行くのいつの時代だよ!」と言っている方もいましたが、
所属部署に「ご挨拶」とのし紙まで付けた菓子折りを持って来られる方はここ数年で増えた印象です。


私が新人の頃はなかったので、比較的新しい風習が出来たのではないか?と思っています。
それまで異動者が「ご挨拶」のお菓子なんて準備されたことはありませんでした。


「お世話になりました」と去って行くのは十分理解できるんですよね。


私は新人から丸7年間お世話になった病棟を去るまでに、異動してきた方が「ご挨拶」のお菓子を用意されていたことはありませんでした。


8年目になって新しい部署に異動したときに、同じタイミングでよその部署から異動してきた方が「ご挨拶」の菓子折りを持参していたのに衝撃を受けました。



え・・・・ご挨拶ってなに???
私は持って行かなかったので、私の印象悪くならないかな?と不安にもなりました(°°)


ですからここ7~8年の間に根付いた風習なのかなと個人的に思っていました。
まぁ、これは施設にもよるのでしょうが。



本当に菓子折りなんて必要ありません。
新人看護師さんは、とにかく勤務日に出勤して、同じユニフォームを着て、患者さんやご家族と職員に挨拶ができれば当面はそれでいです。
帰ったら食事をとって寝て、土日のうち1日はリフレッシュ、1日は勉強に時間を使う。ただそれだけですよ。


変な気を回して神経すり減らすようなことはしなくていい。


看護師の先輩としてTwitterでいらんデマを流すのはやめてあげてほしいなと思います。
お菓子をもらえたらそれはたしかに印象が上がるかもしれません。
でも、用意していない同期がいたら???
「あの子は気が利く、この子は気が利かない」という印象を与えてしまうと同期との関係がくずれるかもしれません。


一番に大切にすべきは自分。その次に同期、その次にその他職員です。


私はもう新人教育に携わることはありませんが、素敵な同期に恵まれて、看護師として切磋琢磨して成長してくれることを願っています。
菓子折りなんて買っている場合じゃ無いです!寝ましょう(笑´∀`)!!!

モヤモヤ・・・新人看護師手当だと?


今朝Twitterを見ていると「新人看護師手当を毎月5万出すべき」と訴えている人がいました。
新人はボランティア労働になりがち
勉強を時間外にする必要がある
休日も課題がたくさん出る


いやいやいやいや・・・・・

ちょっと理解できませんね。
先輩が時間外に勉強していないとでも??
先輩こそサビ残しまくっているというのに?
先輩は新人を定時に帰すために残務を17時になってごっそり引き受けているのに?
教育の仕方に関しても講義を受けたりしていますしね。
新人だけが勤務時間内にeラーニングで勉強している現状なのに?
先輩は自宅で義務化されているeラーニングを見ているんですよ。
子育て中のママさんナースでさえ時間外にこんなに仕事をさせられているのに
新人にだけ新人手当5万円って・・・


そもそも新人さんが本当に勉強熱心かどうかは個人によりますよね。
そんなことしたら一律5万円もらって勉強はしないって人もいるでしょう。


今の時代「わかりません」と言って先輩にこっぴどく叱られようもんならパワハラやお局と言われるんですよ。
だから勉強していなくても「それは勉強してません」と胸張っていう新人さんが多いんです。
いや、勉強しろよ・・・と思っても言えないんですよね。
勉強しない人に5万円払うなら指導者手当くれ。


もやもや・・・

新人は仕事に必要な勉強をしているから手当が必要だと言われちゃうとですね・・・
それ言い出したら、専門学校だって看護師になるために必要な勉強をしているから手当出るのか??
学ぶのは自己投資でよくないか?自己研鑽も強制されるとよくないけれど、学びたい人は学べば?


ちなみに真面目に、自主的に勉強する新人看護師は5人中の1人とかそんなレベルです。


そもそもお金もらわないと勉強できない人材なんて応用も効かないし無能じゃないかなと思ってしまう。
口が悪くてすみません。


あまりにも衝撃的なツイートだったのでついぼやいてしまいます。