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働き方を模索する緩和ケア認定看護師の物語

私が休職した理由


今更ながら、今日はちょっと真面目に自己紹介をしておきたいと思います。
私は看護師になって14年目、緩和ケア認定看護師になって6年目となりました。ずっと同じ急性期病院に勤めてきました。これまでに、消化器内科、血液内科、呼吸器内科、循環器内科、腎臓内科、内分泌・糖尿病内科での経験がありますが、基本的にずっとがん看護をしてきました。そして、もちろんフルタイム勤務で夜勤も月に5回していました。

月8回以上の休みは担保されていますが、年々どうにも身体がきつくなってきて、片頭痛をさらにこじらせて薬物乱用頭痛にまで陥ってしまいました。そこから抜け出せず、薬を飲みながら働く日々。さすがにきつくて、今までに何度も転職しようと思い、転職サイトに登録したものの、具体的に行動する勇気がもてずに退職をいう選択ができずにいました

そんな折、今年5月に妊娠が発覚し、「やっと産休・育休でこの職場からしばらく離れられる!」と万々歳で気分は有頂天に。それもつかの間、夜勤免除の申請をしようと思っていたタイミングで、流産してしまいました。このダメージは本当にでかかった。これだけ身を粉にして働いてきても、自分の子どもの命は守れないんだなと落ち込み、苦しみ、悲しさから外に出ることもできなくなりました。

そして、仕事中に我が子は心臓の動きを止めてしまったかもしれないという気持ちから、仕事にも行けなくなってしまったんですよね。自分自身で無理を強いてきたので、当時は自分も憎いし、あそこまで働かないといけなかった職場も憎く思ってしまいました。そんなとき、周りはとても優しくて「今まで十分きつい思いをして働いてきたんだから、しっかり休んでいい」と声をかけてくれました。そして、もしかすると私たちの赤ちゃんは、流産という経験から私たち夫婦が【働き方を見直すきっかけ】をくれたんじゃないかと思うようになりました。


休職という道を選んだわけですが、やっぱり職場のみんなへの申し訳なさや、患者さんのことが気がかりではありました。
ですが、休んでみて気づいたんですよね。今まで月に20日以上悩まされていた片頭痛が治療をしていないのに治っていることに。よく寝て、よく食べて、よく笑い、人間らしさを取り戻せていたんです。この10年以上苦しんでいたのに、休んだ1ヶ月の間に片頭痛が治っていて、やっぱり今まで無理をして働いていたことが私の心身を壊していたんだなと気づけました。


そして、休職期間中にひたすら【働き方】を考えるようになったんです。「自分に合う働き方とは?」なんて、今まで一度も立ち止まって考えることがありませんでした。流産の経験はつらかったけれど、この経験がなければ私は間違いなく、いつか立ち直れないほど心身に不調が出ていただろうと思います。


夜勤はしたくない
責任の重い仕事は避けたい
休日はしっかりほしい


今まではそこに所属していることが当たり前だったので、そんなこと考えることさえ許されなかったように思いますが、今では自分の希望に合った職場を探すことだってできるし、自分のキャリアをほしがってくれる職場もあるのではないか?と前向きに考えられるようになりました。「ここで永遠に働き続けなければならない」というわけではなくて、自分がやりがいを感じられる場所で、自分を必要としてくれる場所で働いてみたいと思ったってよかったんです。


今の私には、【退職】して自分に合う職場を吟味して【転職】するという目標があります。せっかく資格を持っているのだから、看護師として必要とされて、誰かの心や体の手当てをしたい。今の職場が合わないからといって、看護師が向いていないわけではないと思います。働く場所は自分で決めていいと思えたのは、思い切って休職するという決断をしたからこそでした。


せっかくなので、緩和ケア認定看護師として、誰かの役に立てるといいなと期待をしながら、焦らず、ゆっくり、自分のペースで考えていきたいなと思います。